イソ・イセッタ



これは「イソ・イセッタ」という小型車。

バブルカーと呼ばれる小型の自動車のことだ。

そのユニークな形状から、現在でも世界的に熱狂的なファンの多い人気車種。

先日、街中で見かけたそんな「イソ・イセッタ」について語ってみようと思います。





イタリアのイソ社は冷蔵庫、スクーター、

三輪トラックの生産で知られたメーカーだった。


ほどなくして四輪自動車生産への進出を決意。

イソ社のエンジニアはスクーターを2台並べて、

その間に自社製冷蔵庫を置き、イセッタの形を創造したんだとか。


1953年11月のトリノ・ショーで発表されたイセッタ。

全長2.3m・全幅1.4mという極度に小さな車体、

冷蔵庫の扉のように車体前部がドアとしてぱっくり開く構造など、

それまでに無いユニークな設計であったため、

その独創的なスタイルで時の話題をさらったそうです。


構造上、車内に前面から乗り込むというスタイル。

室内にはベンチシートが設置され、

大人二人と小さな子供一人が乗車することが可能であった。


エンジンは236cc、最高出力は9.5馬力。

最高速度は85km/hを叩き出し、

それに加えて軽量な車体から燃費が良いという側面もあり、

燃料タンクの容量は13リッターであったが、

約175~245kmの航続距離とかなりの低燃費を実現していた。





イソ社は商業的には大ヒットを飛ばした

イソ・イセッタを自社で作り続けるより、

ライセンスを外国企業に供与することに興味を抱くようになり、

やがてスペイン、ベルギー、フランス、ブラジル、

ドイツ、イギリスなどヨーロッパ全域でのライセンス生産が始まった。


イソ社でのイセッタの生産は1955年で終了するわけだが、

総生産台数は1000台程度であったらしい。


しかし、BMWはそれまでのイセッタエンジンから

自社製4サイクルエンジンに換装し、1963年まで生産を継続。

総生産台数16万1,728台とかなりの台数を製造。


このため現在では「イセッタ」=「BMW」

というイメージが定着することになるのだ。

しかし、イセッタはれっきとしたイタリア車であり、

BMWはライセンス車なのである。


個人的にはイタリアのエンジンよりもドイツのエンジンに

信頼性が強いので、BMWイセッタに軍配が上がりそう。


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